外壁タイルの種類を5つの分類別に徹底解説【素地・サイズ・工法・目地・デザイン】選び方も紹介

「タイル」とは、粘土などを高温で焼き固めた陶磁器製の建築材料のことです。
そんなタイルを外壁に使うことを検討して、「外壁タイルにはどんな種類がある?」と疑問をお持ちの方は多くいらっしゃいます。
一口に「外壁タイル」といってもさまざまな種類があり、種類によって見た目や性能が変化するため、事前に特徴を把握しておくことが大切です。
今回は「クレバリーホーム立川」が、外壁タイルの種類を素地・サイズ・工法・目地・デザインの5つの分類別に徹底解説します。
外壁タイルの種類を選ぶ際のポイントもご紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
| コラムのポイント |
| ・外壁タイルの素地の種類には、「磁器質」「せっ器質」「陶器質」の3つがあり、吸水率などの特徴が異なります。 ・外壁タイルの工法には、モルタルを下地にする「湿式工法」とサイディングを下地にする「乾式工法」があるため、特徴を比較しましょう。 ・「実際の住宅を見学してから判断する」など、外壁タイルの種類を選ぶ際のポイントをご紹介します。 |
目次
外壁タイルの種類【素地】

「素地」とはタイルの原料となる素材のことで、外壁タイルの素地の種類には「磁器質」「せっ器質」「陶器質」の3つがあります。
まず、外壁タイルの素地の種類について解説します。
磁器質
「磁器質」とは1,200度以上で焼いたタイルのことで、以下のように吸水率が低く高強度なため、外壁の使用に最適です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 焼成温度 | 1,200度以上 |
| 吸水率 | 1%以下 |
| 素材 | 石英・長石・粘土など |
| 特徴 | ・高密度で強度に優れているため、衝撃・摩耗に強い ・外壁材に向いている |
なお、吸水率が非常に低い磁器質のタイルは、タイルに侵入した水分が凍結・融解を繰り返すことで損傷する「凍害」が起きにくく、寒冷地でも使用できます。
せっ器質
「せっ器質」とは1,200度前後で焼成されたタイルで、以下のように磁器質と陶器質の中間的な性質を持っています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 焼成温度 | 1,200度前後 |
| 吸水率 | 5%以下 |
| 素材 | 粘土・長石など |
| 特徴 | ・磁器質と比較するとわずかに吸水するが、強度が高く耐候性がある ・外壁材にもよく使用される |
せっ器質のタイルは高い強度を持っており、耐候性があるので、内装だけではなく外壁にもよく利用されています。
また、せっ器質のタイルは表面加工がしやすく、デザインバリエーションが広いのも特徴です。
陶器質
「陶器質」とは1,000度以上で焼いたタイルで、以下のような特徴を持っています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 焼成温度 | 1,000度以上 |
| 吸水率 | 22%以下 |
| 素材 | 陶土・石灰など |
| 特徴 | ・多孔質で、磁器質・せっ器質と比較すると水を吸いやすい ・外壁よりは内装への使用が向いている |
陶器質のタイルは吸水率が22%以下と高く、雨水の影響を受けない内装に使用されるのが一般的です。
JIS規格による区分
これまでご紹介した素地の種類は従来の分類で、日本産業規格(JIS)の2008年の改正により、現在では以下のような区分が用いられています。
| 種類 | 内容 |
|---|---|
| I類 | 吸水率:3%以下 焼成温度:1,200〜1,350度 |
| II類 | 吸水率:10%以下 焼成温度:1,200度前後 |
| Ⅲ類 | 吸水率:50%以下 焼成温度:1,000〜1,200度 |
ハウスメーカー・工務店が利用している外壁タイルを確認する際は、JIS規格の基準も踏まえてチェックしましょう。
外壁タイルを利用した住宅を検討している方は、「クレバリーホーム立川」に気軽にお問い合わせください。
クレバリーホーム立川では、高い耐候性・耐汚性・耐傷性を持ち、長期的に美観をキープできる外壁タイルを提供しています。
〈参考ページ〉お問い合わせ・ご相談はこちら
外壁タイルの種類【サイズ】

外壁タイルのサイズ別の主な種類は、以下のとおりです。
| 種類 | 特徴 (一般的なサイズ) |
|---|---|
| 50角タイル | 正方形のタイルで、モダンやモザイク調の住宅に使われる (45×45mm/枚) |
| 45二丁 | 50角タイル2枚分のサイズで、50角タイルと二丁掛の中間的なタイル。シャープでモダンな印象を与えられる (95×45mm /枚) |
| 小口平 | レンガの小口面を参考にしたサイズで、重厚感のある外観に仕上げられる (108×60mm/枚) |
| 二丁掛け | 積みレンガをベースにしたサイズで、外壁によく使われる標準的なタイル。クラシカルな雰囲気を演出しやすい (227×60mm/枚) |
| ボーダータイル | 二丁掛タイルの高さを半分にしたサイズで、スタイリッシュな印象にまとめられる (227×30mm/枚) |
なお、45二丁の他にも、50角タイル3枚分の45三丁、4枚分の45四丁のサイズバリエーションもあります。
上記のように、外壁タイルのサイズごとに外観の印象が変わるので、じっくりと検討してから決めることが大切です。
家の外壁でタイルが人気の理由と注意点を、こちらの記事で解説しています。
〈参考ページ〉家の外壁でタイルが人気の理由と注意点【メリット・デメリット】後悔を回避するポイントや費用相場も解説
外壁タイルの種類【工法・貼り方】

外壁タイルの工法・貼り方の種類には、「湿式工法」と「乾式工法」の2種類があります。
ここでは、それぞれの工法の特徴やメリット・デメリットについて解説します。
湿式工法
「湿式工法」とは、セメント・水・砂を混ぜわせてつくるモルタルを下地にしてタイルを貼りつける方法で、職人が手作業で1枚ずつタイルを貼る伝統的な工法です。
外壁タイルを湿式工法で貼ると、以下のようなメリット・デメリットがあります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メリット | ・手作業ならではの独特の風合いを持つ外観にできる ・強アルカリ性のモルタルの殺菌作用によって、カビやダニの発生を予防できる ・モルタルが持つ微細な穴から湿気を逃しやすく、結露防止につながる |
| デメリット | ・工程が多く乾燥に時間がかかり、工期が長くなる傾向にある ・職人の腕によって仕上がりが左右されやすい ・モルタルの処理が甘いと浮きや剥落のリスクがある |
湿式工法は職人が手作業で貼ることでデザインにオリジナリティを出しやすい反面、職人の力量に品質が左右されるので、次の章でご紹介する「乾式工法」と比較しながら検討しましょう。
乾式工法
「乾式工法」とは、工場で生産された部材であるサイディングを下地にしてタイルを貼りつける方法で、接着剤を使ってタイルを貼る近年では主流の工法です。
乾式工法でタイルを貼るメリット・デメリットは、以下のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メリット | ・下地の乾燥時間が不要で、比較的工期を短くできる ・接着剤の性能が向上しており、剥離のリスクが低い ・湿式工法のように職人の技術に左右されにくく、一定の品質を期待できる |
| デメリット | ・個性的なデザインを実現するのは難しいケースがある ・接着剤が強力で張り替え時に手間がかかる |
「外壁タイルが剥離するリスクを減らして、安全に暮らしたい」「なるべく工期を抑えたい」とお考えの場合は、乾式工法が向いています。
外壁タイルのメリット・デメリットを、こちらの記事で解説しています。
〈参考ページ〉【築16年の実例有】外壁タイルのメリット・デメリットを徹底比較|失敗しない選び方と対策を解説
外壁タイルの種類【目地】

外壁タイルの目地にはさまざまな種類がありますが、ここでは代表的な「芋目地」と「馬目地」の特徴をご紹介します。
なお、「目地」とはタイル同士の隙間のことです。
芋目地
「芋目地」とは、縦横の目地のラインが一直線にそろっている貼り方です。
芋目地は「通し目地」と呼ばれるケースもあり、由良は規則正しく伸びる芋の根に似ているからだとされています。
外壁タイルを芋目地にすると、直線的なラインが際立つため「すっきりした印象」や「シャープな印象」に仕上げやすくなります。
馬目地
「馬目地」とは、横方向の目地のラインをそろえ、縦方向に半分ずつずらす貼り方です。
また、馬目地は以下の名称で呼ばれる場合もあり、馬の足跡のように交互にタイルが配置されているのが名前の由来だとされています。
- 馬踏み目地
- 馬乗り目地
- 破れ目地
馬目地の外壁タイルを採用する場合は、レンガ積みのようにリズミカルで落ち着いた雰囲気を目指せます。
外壁タイルでおしゃれな外観をつくるコツを、こちらの記事でご紹介しています。
〈参考ページ〉外壁タイルでおしゃれな外観をつくるコツ|高級感のある施工実例も紹介
外壁タイルの種類【デザイン】

外壁タイルのデザインの種類には、以下のような例があります。
- レンガ調
- 石目調
- 木目調
- コンクリート調
たとえば、木目調の外壁タイルを使うとナチュラル感のある外観に、コンクリート調の外壁タイルを使うとクールで都会的な外観に仕上げることが可能です。
また、デザインの豊富なパターンに加えて、外壁タイルには多くのカラーバリエーションがあるので、さまざまなデザインテイストを実現しやすいのも魅力です。
クレバリーホーム立川では、色・質感・風合いの異なるタイルを豊富にそろえており、美しくこだわりのある住まいを叶えられます。
外壁タイルについては、こちらのページで特徴をご紹介しています。
〈参考ページ〉外壁タイル
外壁タイルの種類を選ぶ際のポイント

最後に、外壁タイルの種類を選ぶ際のポイントを解説します。
それぞれのポイントを押さえてから、外壁タイルの種類を検討しましょう。
実際の住宅を見学してから判断する
カタログなどの画像のみで外壁タイルの種類を決めてしまうと、「仕上がりがイメージと違う」といったミスマッチを感じるケースがあるため、注意が必要です。
画像・写真だけではなく、モデルハウスで実際に外壁タイルを使った住宅を見学して具体的なイメージをつかんでから、外壁タイルの種類を決めましょう。
また、外壁タイルを使った施工実績が豊富なハウスメーカー・工務店に相談すれば、外壁タイルについてプロ目線でアドバイスや提案をしてもらえます。
「モデルハウスで外壁タイルを直にチェックしたい」とお考えの方は、クレバリーホームの「立川モデルハウス」へご来場ください。
〈参考ページ〉立川モデルハウス
デザインの方向性を踏まえてタイルの種類を選択する
理想の住宅デザインを叶えるには、デザインの方向性を踏まえてタイルの種類を選択することが重要です。
たとえば、クラシカルで落ち着いた雰囲気にしたい場合には、レンガをベースにしたサイズの二丁掛けのタイルで、ブラウン系のカラーを選択するのがおすすめです。
また、モダンな印象に仕上げたい場合は、グレー系のボーダータイルやコンクリート調のタイルを選ぶ方法があります。
デザインの方向性が定まっていない場合は、外壁タイルの種類を決める前に、まず「どのようなデザインに仕上げたいか」を決めましょう。
外壁タイルを利用した住宅を検討している方は、「クレバリーホーム立川」に気軽にお問い合わせください。
クレバリーホーム立川では、年月の経過による色褪せや劣化がほとんどない高品質なタイルを採用しています。
〈参考ページ〉お問い合わせ・ご相談はこちら
まとめ
外壁タイルの種類を、素地・サイズ・工法・目地・デザインの5つの分類別にご紹介しました。
目指すデザインテイストによっても選ぶべき外壁タイルの種類が異なるため、あらかじめデザインの方向性を明確にしましょう。
今回ご紹介した内容を、外壁タイルの種類を検討する際の参考にしていただけると幸いです。





